おひとりさま必見！50代から終活を始めるべき5つの理由｜やるべきことや成功のポイントもご紹介

50歳を迎えてから、体力の衰えを感じて、「もし一人でいる時に倒れたらどうしよう…」と、不安な方もいらっしゃるでしょう。

終活は高齢者がやることだと思っている方をお見受けしますが、実は、50代のうちに始めるのがベストなのをご存知でしょうか。

そこで本記事では、50代から終活を始めるべき理由と、そのメリットについて詳しく解説します。

やるべき内容や注意点、上手な進め方のコツについてもご紹介しますので、終活の知識がない方も安心してご覧ください。

万一の時に家族へ迷惑をかけないためにも、一人暮らしでも安心して暮らしていくためにも、終活は50代から始めるべき5つの理由があります。

• 健康で体力や気力があるから
• 老後に必要な資金の工面が間に合うから
• 余裕を持った老後生活を送りやすいから
• セカンドライフを想像しやすいから
• 判断力がしっかりあるから

終活では、知力・体力を求められる取り組みが多く、「よし、始めよう」「最後までやり遂げよう」といった気力も必要です。

人は加齢とともに健康トラブルに見舞われるリスクが高くなるため、50代という年齢は、終活で大きな強みとなります。

また、いざという時の備えがあれば、病気や入院などにも速やかに対処でき、独身や単身のおひとりさまも孤独死を回避することが可能です。

なお、平均寿命が男女ともに80代なのに対して、2022年に発表された孤独死の平均年齢は役割20年も若く、男性62歳・女性61歳でした。

出典：第7回孤独死現状レポート（日本少額短期保険協会）

50代のうちに終活を行えば、老後に必要な資金を把握し、無駄な出費を見直して貯金に回したり、資産運用を行ったりして、お金の工面も可能です。

2022年の調査によると、老後の生活に対して82.2％の人が「不安感あり」。さらに、「公的年金だけでは不十分」と回答した人が79.4％を占めています。

出典：生活保障に関する調査（生命保険文化センター）

老後にお金の心配が不要になるよう、試行錯誤できるため、50代は大きなターニングポイントともいえるでしょう。

老後生活の準備として50代から終活をしておけば、60代以降の老後生活では余裕を持って悠々と暮らすことができます。

万一の時に頼れる家族がいないおひとりさまの立場では、病気を患ったりケガをしたりすることに恐怖を覚える方も少なくありません。

計画性なく目先の生活に追われると、老後は心身の負担が大きくなり、年齢とともにゆとりは失われてしまうため、ご注意ください。

終活は50代から着手することによって、リアリティのあるセカンドライフを想像しやすくなります。

そもそも終活とは、満足のできる豊かな人生を送るための活動のことをいい、老後に目標や楽しみがあれば、大きな生き甲斐にも繋がるでしょう。

言い換えると、50代は第二の人生に向けた貴重な準備期間です。ぜひ、有意義な終活の時間を作っていただきたく思います。

正しい解釈力と判断力がある50代から終活に取り組むことで、失敗やトラブルを回避できます。

終活では、法律や規定に則るべき相続や遺言書の作成や、高齢者が苦手なパソコン・スマートフォンなどのデータ整理を行わなければなりません。

なお、物忘れや記憶力の低下から「認知症になったらどうしよう…」と不安な方も多いと思いますが、ズバリ認知症は終活によって事前対策ができます。

人は30代から加齢とともに判断力が低下し、65歳になると5人に1人が認知症になると言われています。若年性認知症は平均51.3歳で発症しているのが実態です。

出典：若年性認知症 （厚生労働省）

認知症になって判断力を失った場合でも安心して暮らせるよう、具体的に誰に何をどうしてもらうのか、準備に取り組みましょう。

50代からの終活では、先行して着手するべき5つの事項があります。スムーズに進められるよう優先順にご紹介しますので、目的とポイントを把握しておきましょう。

• 断捨離
• 財産管理
• 遺品の把握・整理
• エンディングノートの作成
• 遺言書の作成

50代からの終活では、不要な物を処分して、物にこだわらない『断捨離』に取り組むことがおすすめです。

• 断：入ってくる不要な物を断つ
• 捨：家にずっとある不要な物を捨てる
• 離：物への執着から離れる

断捨離には上記のような意味があり、節約術にもなるうえ、冷静かつ客観的な判断力を養い、価値観を改める効果があるとみなされています。

終活ではさまざまなことを判断する機会があるため、ぜひ効果を体感しながら、老後生活で役立つ知恵を学んでください。

なお、断捨離は清掃や整理整頓した成果に満足度を得られるよう、日常で目に触れやすい場所から、次の手順で手掛けることがポイントです。

1. すべての物を出して清掃してから収納す
2. 種類ごとに整理整頓して在庫数量を把握する
3. 必要な物以外は残さない・買わない

財産管理の最適な方法は、上記の資産を洗い出し、通帳・証券・権利書・契約書・印鑑・カードなどをきちんと整理してから保管します。

さらに、老後に向けて売却や解約などを判断する目的として見積りや査定を行って、保険に関しては契約内容の見直しなども検討しましょう。

資産の洗い出しができたら、リストアップのうえ、日付とおおよその金額を記載しておくと、相続人は遺産相続がスムーズです。

また、10年間使用していない預金口座は休眠預金となってしまうため、気を付けなければなりません。

出典：放置したままの口座はありませんか？10年たつと「休眠預金」に。（政府広報オンライン）

財産管理では気を付けるべき3つの注意点があるため、しっかりと押さえておいてください。

• 預貯金は使用しない口座を解約し、利用頻度に応じて口座をできるだけ最小限にまとめる。
• 預貯金は銀行名が分かれば問題なく相続できるため、暗証番号やパスワードは記載しない。
• ネット口座や電子マネー、暗号資産（仮想通貨）などのインターネット資産の漏れを防ぐ。

遺品整理は、知力・体力のある50代のうちに、自分自身で生前整理を行うことがおすすめです。

死後の遺品整理では、家族同士のトラブルや、大切な物が粗末に扱われる可能性があるほか、他人に知られたくない個人情報もあるでしょう。

遺品整理業者もありますが、費用負担が大きくなるため、処分する品物はできるだけ売却することを意識し、難しい場合は地域の粗大ゴミなどを利用します。

スムーズに遺品を把握して整理する方法として、次の3つのポイントを押さえておいてください。

• 貴金属・骨董品・美術品・着物・フィギュア・ブランド品・酒類などの価値のある品物はリストアップして、売却または家族や親しい人への譲渡を検討する。
• 形見分けとして残す遺品は、清掃やお手入れをして、相続人が発見しやすいように一定の場所へまとめて保管しておく。
• 写真や手紙などは思い出に浸って作業の手が止まりやすいため、遺品整理の最後に着手する。

エンディングノートは、次のような情報を誰でも上手にまとめることができます。便利で役立つため、終活を始める際はぜひ用意しましょう。

• 個人情報
• 緊急連絡先や病歴やかかりつけの病院
• 医療や介護や延命措置に関する要望
• ペットに関する情報
• 死亡時の連絡先リスト
• 葬儀やお墓に関すること
• 死後に必要な手続き
• 遺産の情報
• 相続の要望や遺言書に関する情報
• 家族や周囲の人へのメッセージ

ページごとのテーマに沿って項目を記述することによって、自分の生涯を振り返ったり、身近な人へ遺志を伝える遺書の役割も果たします。

エンディングノートは作成後も注意すべき事項があるため、次の3つのポイントを押さえてください。

• エンディングノートは遺言書とは違って法的な効力がないため、希望・要望が実現できるとは限らない。
• 完成後も見直して、修正すべき内容があれば訂正をして、新しい情報へ更新するようにする。
• 大事な個人情報が含まれるため、目に触れる目立つ場所へは置かずにきちんと収納し、家族にはエンディングノートの存在を伝えておく。

なお、エンディングノートは書店などで1,000円前後で市販されているほか、地域によっては自治体で無料配布も行っているため、確認してみても良いでしょう。

民法の定めとは異なる遺産相続を実現するため、特に次のような人は遺言書を作成することにメリットがあります。

• 法定相続人以外の人へ遺贈をしたい場合
• 相続人が不仲な場合や人数が多い場合
• 配偶者や子供がいない場合
• 財産が預貯金・不動産・株券・事業など多岐に及ぶ場合

遺言書は、法律や規定の様式に基づいて作成する必要があるため、柔軟な思考力のある50代のうちに取り組むことが最良です。

公証人が遺言者から聞いた内容をまとめる公正証書遺言のほか、自筆証書遺言とがあるため、50代なら自分で遺言書の作成にチャレンジしても良いでしょう。

なお、遺言書を作成する際は、相続時にトラブルにならないよう、次の3つのポイントを知っておいてください。

• 法定相続人は最低限もらえる相続配分として、遺留分が定められている。
• 財産を明瞭にしてスムーズに相続が行えるように、財産目録を作成しておくと良い。
• 遺言書を実行する遺言執行者を指定しておく。

なお、遺言書の保存や改ざんが心配な場合、遺言書保管制度によって法務局で管理・保管することも可能です。

出典：自筆証書遺言書保管制度について（法務省）

50代の終活では気を付けなければならない5つの注意点があるため、後悔しないように、しっかりと把握しておきましょう。

• 考えすぎて悩んでしまう
• 家族に関わる事項を勝手に決めてしまう
• 断捨離しすぎる
• 老後のために我慢したり今を犠牲にする
• 焦って無駄な出費をしてしまう

終活で老後や死を想像したり、考えすぎてしまったりすると、心配事が尽きずに不安が大きくなってしまうためご注意ください。

迷いや戸惑いが生じたら、親しい人や専門家などへ相談することで気分が晴れることもあるため、悩み事は一人で抱え込まないことが大切です。

終活において、次のような事項を勝手に決めてしまうと、家族に負担や迷惑をかける可能性があるため、必ず事前に家族へ相談して承諾を得ましょう。

• 長年暮らした住まいの売却
• 引っ越し先や介護施設への入所
• 子供との同居や近居
• 不動産などの遺産相続
• 葬儀やお墓などの死後の処理

出典：令和4年簡易生命表の概況（厚生労働省）

極端な断捨離による環境の変化は精神面で寂しさや虚しさを感じてしまうケースがあるため、迷う場合は残しておく決断も必要です。

いざ年金暮らしで収入が減ってから買い直したり、捨てなければ良かったと後悔したりすることがないように気を付けましょう。

終活に敏感になって、将来のための節約や時間の使い方など、今現在の生活で我慢をしたり何かを犠牲にしたりしないようにしましょう。

旅行や周囲とのお付き合いなどは、決して無駄遣いではありません。50代だからこそ、思い出づくりに適している時期でもあります。

そもそも終活とは、人生を充実するための活動のため、将来に対してあまり神経質にならずにいてください。

終活ではさまざまなサービスを利用する機会がありますが、契約の際は後々まで後悔しないように、しっかりと内容を確認のうえ比較検討しましょう。

たとえば、お葬式では葬儀費用を生前に積み立てるサービスがありますが、もし解約すると満額は返金されないため注意が必要です。

出典：契約内容をよく確認　冠婚葬祭互助会の積み立て（国民生活センター）

そのほか、お墓は契約時点から維持管理費の費用負担が発生するケースが多く、申し込んだ墓地や納骨堂の区間は、第三者へ転売することはできません。

さらに、終活サービスには悪徳な業者の報告の事例も挙げられていますので、焦りは禁物です。失敗や後悔をしないように、くれぐれもご注意ください。

出典：高齢者が巻き込まれる詐欺的なトラブル（消費者庁）

50代からの終活で失敗や後悔をしないためには、次の6つのポイントをしっかりと押さえて成功させましょう。

1. 一度にやろうとせず、少しずつ進める
2. デジタル終活を忘れない
3. 家族の意見も聞きながら進める
4. ポジティブな計画を立てる
5. 終活で迷ったら専門家に相談する
6. 終活の内容・プランは定期的に見直す

終活はやり遂げることが重要なため、50代から老後にかけて、スロースペースで構いません。コツコツと少しずつ進めることを意識してください。

計画的なのは良いことですが、諦めたりストレスを感じたりしないように、終活では何事も時間を決めて取り組むことがおすすめです。

パソコンや携帯電話などには、大事な情報や思い出が多く保存されているため、これらのデジタル終活は必ず忘れないようにご注意ください。

特に多いのは、故人のパソコンやスマートフォンなどがロックされていて、ログインできないという遺族の立場でのトラブルです。

出典：生前整理 デジタル遺品リストを作りましょう（国民生活センター）

SNSのアカウント削除やインターネット関連の有料サービスの退会など、死後に必要な手続きを行えるようにしなければ、家族や周囲に迷惑をかけてしまいます。

そのため、会員登録を整理するとともに、サービス名やログイン情報は、エンディングノートへリストアップしておきましょう。

たとえ家族であっても考え方は人それぞれ異なり、最善策とは限らない場合もあるため、終活は積極的に家族の意見を確認しながら進めてください。

2023年のアンケート調査によると、終活をする・したい理由は「家族に迷惑をかけたくないから」が63.9％と、最も多い結果でした。

出典：終活に関する調査（楽天インサイト）

終活で配偶者や子供に迷惑や負担をかけないためと思っていても、結果的に違う方法が選択されることはよくあります。具体的には、次のようなケースです。

事例①「自分が死んだら遺骨は海へ散骨してくれればいい」

• 子供や孫にとっては、お墓参りや供養ができずに寂しさを感じることがある。
• 散骨は遺骨をパウダー状に粉骨して、沖合いなど、人のいない場所を選ばなければならない。
• 散骨よりも安価に遺骨を埋葬する方法がある。

事例②「不動産は子供同士で仲良く共同名義にする」

• 誰が住むか、貸与や売却などで兄弟姉妹の意見が異なり不仲になる。
• 子供に万一のことがあった場合、名義人が増えて複雑になる。

人生を楽しめるように、終活ではやりたいことや目標を考えて、計画を立てることが大切です。

終活というと、寝たきりになった場合や死亡時のネガティブなことをイメージしやすいでしょう。

しかし、前向きなポジティブ志向こそが長生きの秘訣であり、幸せな人生を送ることができます。

終活で迷ったら、次のような専門家へ相談して、速やかに悩みを解消しましょう。

• 専門家（弁護士・司法書士・行政書士など）
• 地域包括支援センター
• 終活サービス会社

相続や公的機関への手続きなど、法律や専門知識に関する悩み事は、弁護士・司法書士・行政書士といった士業の専門家へ相談することが最良です。

電話相談や、20〜30分など時間制限による対面相談なら無料の場合があるほか、合同相談会を開催しているケースもあります。

健康や福祉や生活に関する相談なら、地域の自治体が運営しているお近くの地域包括支援センターへ問い合わせるのも一つの方法です。

地域包括支援センターには、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員などの有資格者が配属しており、無料で相談することができます。

ただし、65歳以上の高齢者や介護が必要な方やその支援者が対象のため、健康な50代の方は次にご紹介の終活サービス会社をご利用ください。

年齢などの条件を問わず、終活に関して誰でも気軽に利用できるのは、終活サービス会社の無料相談です。

多岐にわたって総合的なサービスを提供している企業なら、家族構成やお住まいなど、一人ひとりに適したプランの提案まで行ってもらえます。

安全性を考慮して、電話相談のみならず、対面相談にも応じてもらえる終活サービス会社を選びましょう。

終活は一通り終わった後も、定期的にエンディングノートや加入しているサービスなどを確認して、内容を見直すようにしましょう。

特に、保険や終活サービスは、最新のプランへ切り替えた方がメリットがある場合も多くあります。

さらに、相続などにおいては法律が改定される可能性もあるため、終活サービス会社のホームページなどで、最新情報を確認することを習慣にすると安心です。

終活は元気な50代のうちに始めた方が良い理由についてご紹介しましたが、具体的に次のようなメリットが得られます。

• 知力と体力のあるうちに、身辺整理や遺言書の作成、デジタル終活などに取り組めば、高齢者にとって難しい終活がスムーズに捗り、老後にゆとりができる。
• 断捨離や遺品の売却と、財産の整理・管理によって、老後に不安になりがちな金銭問題のトラブルを回避して、満足できるセカンドライフを送りやすくなる。
• 家族と相談する時間が十分にあるため、遺産相続や葬儀・お墓といった死後の処理で周囲に迷惑をかけずに済む。
• エンディングノートの内容や加入サービスなどを見直す余裕が十分にあるため、失敗や後悔を防いで、納得のできる人生を送ることができる。

不明点やお困りごとは、速やかに専門家へ相談することで、よりスムーズに万全な終活に取り組むことができます。

漠然とした将来への不安や、業者選びに悩む場合は、パンフレットなどの無料の資料請求を行ってみるのがおすすめです。